医療事故調査から見えてくる助産師の役割を考える ~医療者間、妊婦さんを交えた良き産科チームをつくるため~
医療事故調査から見えてくる助産師の役割を考える ~医療者間、妊婦さんを交えた良き産科チームをつくるため~
講師:伊藤 進一 先生 兵庫県医師会医療安全対策委員会常任委員(伊藤産婦人科院長)
参加者28 名(内訳:兵庫県会員19名 県外会員4名 非会員 5 名)
医療事故調査委員会では、昨年も好評だった伊藤進一先生に今年度も講師をお願いしました。
医療事故調査は、年々新たな事故報告がなされ、そこから学ぶことが多くあります。昨年に引き続き参加された方は、「お話をお聞きすることで、自らを律する機会になります」と言っておられ、意義がある研修となっています。
今年度の内容は、医療事故調査制度成立の過程と、基盤となる理念、医療事故調査制度の現状[制度開始4年を経て]、医療事故に対し、どのように考え・対応すべきかという総論を前半に分かりやすく、お話しくださいました。
後半は、兵庫県での産科関連の医療事故の事例提示をしながら、それぞれの事例を詳しく解説いただきました。
参加者からは、「医療事故は常に隣り合わせにあると思っています。
研修内容は、重要なメッセージが含まれていると思うと同時に怖さや心が痛いなぁーと感じました。」や「事例は現場でよくあるもので、理解しやすかったです。改めて気を引き締めて行かなければならないと思いました。」、「いつ何時、自分自身、又は自分の所属する施設で事例のような事態が起こるか分からない。」、「ケース紹介も多く、気付きや学びが深かった。」と、臨床現場でのヒューマンエラーが、いつも隣り合わせにあるという実感を得ていただく内容となりました。
最後に、安全な医療チームとは?良き産科チームを作るために、という予防的な側面で非常に大事なお話でした。
医療だけでなく他の職業の事例も上げながら、チームで働くための心理的安全性が重要であること、妊産婦さんも交えたチームの必要性などを解説されました。
参加者からは「その時の為の備えや、そうなる前に気付く、未然に防ぐ為のスキルそして、その際により良いチームとして機能出来るよう日々のコミュニケーションや症例の振り返りを行っていきたいと改めて感じました。」と明日から使える講義でもありました。
参加者は管理職も多く、「医療事故に対して今日のお話を聞いて、帰ってから振り返り、見直したい事などが出来ました、良かったです。」「事故が起きた時、真実を追求する姿勢が、家人が納得される結果へと繋がると思いました。」と、満足感の高い、そして医療者としての姿勢を改めて考えさせられる研修でした。